小高ワーカーズベースは、原発事故により避難指示区域となった福島県南相馬市小高区で2014年5月に創業、11月に法人化しました。

当時、まだ居住が認められていない地域での新規創業は前例がなく、普通であれば起こりえない困難もたくさんありましたが、それでも地域内外の多くの方の多大なるご支援のもと、少しずつ事業を積み上げていくことができました。

創業当初、避難指示解除時期も不透明な町で、10年後の未来を想像することは難しいものでした。それでも「地域の100の課題から100のビジネスを創出する」というミッションと、それにより成し遂げる「自立した地域社会を実現する」というビジョンは明確で、1ミリも揺らぎませんでした。そこに至るまでのプロセスは試行錯誤の連続で、常に右往左往でしたが、それでも10年間走り続けることができました。それもすべてこれまで関わってくださった皆様のおかげです。心から感謝申し上げます。

次の10年も、地域と社会のために事業を創出し続けてまいります。そして、人々が地域で暮らすことに誇りと希望が持てる、持続可能で自立した社会の実現に取り組んでまいります。

更新情報

2024.10.29 創立10周年記念ページを公開しました。

創立10周年記念イベント

10周年の感謝とこれからの方針をお伝えするイベントを開催します

  • 日時:2024年11月17日(日)13:00~15:00
  • 会場:小高パイオニアヴィレッジ(一般参加はzoomのみ)
  • 場所:ZOOM配信 ※会場参加は定員になりましたので、オンラインでの参加のみ受けてけております。
  • 内容:第一部 代表基調講演:「小高ワーカーズベースのこれまでと、これから」
       第二部 トークセッション:「地域に潜在する課題解決力 ~女性の力が地域を救う~」

これまで創出した事業

小高ワーカーズベースは、主に南相馬市小高区において、10年間で27件の事業やプロジェクトを生み出しました。

創出した事業

自社運営
創業支援
社員の独立
自社運営 創業支援 社員の独立
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小高ワーカーズベースのあゆみ

南相馬市小高区の避難指示が解除される約2年前から様々な事業やプロジェクトを創出してきました。多様な事業を展開するためのノウハウもない、専門人材もいない弊社が20を超える事業を創出することができたのは、地域内外の多くの方のお力添えによるものでした。

2014年5月15日
コワーキングスペース「小高ワーカーズベース」オープン

避難指示区域内では初のコワーキングスペースを南相馬市小高区関場にオープン。
2014年9月5日には小高駅前に移転しました。

2014年11月13日
株式会社小高ワーカーズベース設立

ミッション「地域の100の課題から100のビジネスを創出する」を推進するために法人化しました。
多様な事業の創出に取り組む企業としての第一歩です。

2014年12月8日
食堂「おだかのひるごはん」オープン

まだ飲食店やスーパー・コンビニがなかった小高区で、それでも復旧・復興のために日中働いている方々に温かい食事を提供したいという想いで、地元の主婦5名とともに、日替わり定食、麺類などの食事を提供させていただきました。

2015年8月1日
ガラス工房「HARIOランプワークファクトリー小高」設立

「避難指示が解除されても若者は戻らない」そんな声に対して、特に子育て中の女性が魅力的に感じる仕事を創出することを目的に設立。HARIOランプワークファクトリー社とライセンス契約を結び、コワーキングスペーススペース内にあった4.5畳の小上がりに酸素バーナーを2本だけ設置してスタートしました。

2015年9月22日
仮設商業施設「東町エンガワ商店」オープン

「避難指示が解除されたとしても、日用品・食料品が購入できる店舗がないと生活できない」そんな声が高まるなか、南相馬市からの委託を受けてオープン。まだ物流も回復していない状況でしたが、地域内外の製造・小売・物流関係の事業者のみなさまからお力添えをいただき運営してきました。

2016年3月11日
食堂「おだかのひるごはん」閉店

多くの方々にご利用いただきましたが、お借りしていた店舗のオーナー様も事業再開されることになり、私たちの地域での役割は終えたと判断し、店舗をお返しして閉店といたしました。
最終営業日には地域内外からお客様やメディアのみなさまにご来店いただき、あたたかいお言葉をたくさん頂戴しました。

2016年3月16日
三菱商事復興支援財団との「産業復興・雇用創出支援」契約締結

東日本大震災の復旧・復興支援に取り組む三菱商事復興支援財団様と匿名組合契約を締結し、その後の事業展開に必要な資金を出資していただきました。

2016年6月14日
「HARIOランプワークファクトリー小高」工房兼ギャラリーショップオープン

空き店舗をお借りして商品販売も開始。ガラス職人の育成も加速させました。作業の安全と商売繫盛を願うご祈祷の際には、住民や金融機関の皆様、三菱商事復興支援財団様や多数のメディアの方々にもご参列いただきました。

2016年7月12日
南相馬市の避難指示区域の大部分が解除
常磐線原ノ町駅~小高駅の運行再開

5年4か月におよぶ避難指示が解除され、約300人の住民が帰還しました。
常磐線小高駅には多くの住民が集まり、運行が再開された始発電車を出迎えました。

2017年6月1日
ローカルベンチャー育成事業「Next Commons Lab 南相馬」スタート

「地域の100の課題から100の事業を創出する」というミッションを加速させるため、南相馬市から委託を受けてスタート。Next Commons Lab社と連携し、地域おこし協力隊制度を活用した起業家の誘致と伴走支援を開始しました。2024年11月までで20名が移住し、11名が起業・開業。4名が起業準備中です。

2018年10月5日
マチ・ヒト・シゴトの結び場「NARU」オープン

南相馬市の中心市街地活性化と多様な働き方促進を目的に南相馬市からの委託を受けてオープン。キッズスペースを併設したコワーキングスペースで、子供を遊ばせながら在宅ワークやリスキリング、まちづくりなどの講座を受講したり、作業したりできる環境を整備しました。

2018年12月5日
仮設商業施設「東町エンガワ商店」閉店

公設民営の商業施設「小高ストア」のオープンに伴い、南相馬市との委託契約を終了。最終営業日の閉店後にはセレモニーを開いていただき、住民の皆様から感謝のお言葉を頂戴しました。

2019年3月5日
ハンドメイドガラスブランド「iriser-イリゼ-」リリース

工房設立から約3年半。経験を積んできたガラス職人たちが「より自分たちらしい商品をお届けしたい」という思いを抱くようになり、それを形にするためにオリジナルブランドをリリースしました。立ち上げにあたては、HARIOランプワークファクトリー社からも多くのご支援をいただきました。

2019年3月10日
簡易宿所付コワーキングスペース「小高パイオニアヴィレッジ」オープン

2016年春から構想を始めて約3年。地域に100の事業を生み出すための”工場的”施設としてオープン。日本財団「NewDay基金」およびクラウドファンディングにて349名もの方々のご支援をいただき、補助金等の公的資金を使わずに建設することができました。

2021年5月11日
福島での若者の起業支援プログラム「Next Action→ Social Academia(NA→ SA)プロジェクト」スタート

東日本大震災から10年。福島の課題から浮かび上がる社会課題の解決に関心を持つ16歳から29歳の次世代リーダーを発掘するために、ソフトバンク社およびヤフー(現LINEヤフー)社とともにスタートしました。

2022年12月21日
南相馬市とSepteni Ad Creative株式会社による人材育成及び地域活性化に関する連携協定を締結

Septeni Ad Creative社の社員が南相馬市小高区に常駐し、柔軟な働き方が可能なクリエイター人材の育成を行うことで仕事の選択肢を増やすことを目的に3者で連携協定を締結いたしました。「風評被害に影響を受けない仕事をつくる」と活動されてきた関係者の皆様の長年の想いが結実しました。

2023年3月
「Next Action→ Social Academia(NA→ SA)プロジェクト」終了

参加者の多くは、小学生から高校生という感受性の高い時期に東日本大震災を経験し、社会課題への関心や、自ら体験した不条理をなくしたいという思いを抱きました。一方で、年齢的制約から想いを形にすることが難しかった世代でもあります。その世代から、3年間で約200名の参加者と8名の起業家が誕生しました。

2024年6月1日
「NARU」をシェアショップとしてリニューアルオープン

キッズスペース付コワーキングスペースから運営方針を変更。シェアショップというコンセプトで地域に潜在するクラフト作家や無店舗型で営業するマイクロビジネスなど、ライフスタイルに合わせて収入を得る地域のロールモデルを顕在化し、多様な働き方の推進とチャレンジのすそ野を広げていきます。

受賞歴

  • 2015年12月 ふくしまベンチャーアワード2015 特別賞
  • 2016年11月 「KIBOW年次大会2016」準優勝
  • 2017年 2月 復興庁「新しい東北」復興・創生顕彰【団体部門】
  • 2017年12月 ふくしま産業賞 特別賞(HARIOランプワークファクトリー小高)
  • 2018年 1月 地方再生大賞 北海道・東北ブロック賞
  • 2019年10月 グッドデザイン賞(小高パイオニアヴィレッジ)
  • 2021年 7月 第17回グロービス アルムナイ・アワード「ソーシャル部門」
  • 2022年 2月 ソーシャルプロダクツアワード2022「ソーシャルプロダクツ賞」(iriser)
  • 2022年 9月 ICC KYOTO 2022「ソーシャルグッド・カタパルト」優勝
  • 2022年12月 ふくしま産業賞 福島民報社奨励賞(iriser)
  • 2023年12月 復興デザイン会議第五回「復興政策賞・復興計画賞・復興設 計賞」復興計画賞(小高パイオニアヴィレッジ)

主なメディア掲載歴

  • テレビ東京「日経スペシャル ガイアの夜明け」2014年9月30日、2016年3月1日放送
  • AERA 2014年12月29日-1月5日合併号「日本を突破する100人」掲載
  • 女性自身「シリーズ人間」 2015年2月24日発売
  • NHK WORLD 「Outside Fukushima Daiichi 」 2015年3月14日放送
  • BSプレミアム「きらり!えん旅」 2015年5月20日、 2016年2月24日放送
  • 朝日新聞「波聞風問」 2015年12月27日
  • 日本経済新聞「大震災から5年」 2016年2月18日
  • Eテレ「オンマイウェイ 第10回 人が暮らすためには何が必要なんだろう? 」2016年3月11日放送
  • 毎日新聞「福島復興論」 2016年5月10日
  • Eテレ「福島をずっと見ているTV」2016年6月27日放送
  • 週刊新潮「熱きこころをたずねて」 2016年7月28発売
  • NHK総合「サキどり」2017年3月5日放送
  • 日経ビジネス 2018年3月5日
  • 日テレ「サタデーステーション」 2019年3月9日
  • 月刊「事業構想」 2020年1月号
  • NHK総合「日曜討論」2022年3月13日
  • NHK総合「あさイチ」2022年12月7日
  • テレ東「WBS」2023年3月8日
  • 日テレ「news zero」2023年3月9日
  • フジテレビ「日曜報道THE PRIME」 2023年3月12日

他、ローカルメディアを中心に多数ご紹介いただきました。

「小高ワーカーズベース」は「OWB」へ

福島の課題解決から社会課題解決へ

これまでの10年は、原発事故避難指示区域となった南相馬市小高区を自立的で持続可能な地域にすることを目的に様々な事業を創出してきました。

しかしこの10年で、日本を含む社会情勢は大きく変わりました。社会が不安定になれば、人は自分のことだけしか考えられなくなります。自分と自分の地域だけがよくなればよい。その考え方は、ほかの地域に負担や課題を押し付け、奪いあう構造を生み出します。

私たちが暮らしたいのはそんな社会ではありません。この10年間の成果と想いを無にしないためにも、次の10年では、この地域でいただいたご恩を社会に還元してまいります。

小高ワーカーズベースからOWBへ

地名を冠した株式会社小高ワーカーズベースから、OWB株式会社へと変わります。
『Odaka Workers Base』の意思を継承しながらも『Our Will Becomes 〇〇』、つまり「私たちの意思が〇〇を実現する」という意思表示をして理想を実現していく集団になります。ブランクの〇〇には、法人も個人も、大きなことから小さなことまで、実現したいことを入れていきます。

そのひとりひとりの意思と行動の集合体が、地方での暮らしに誇りと希望を生み出し、持続可能で自立した地域社会を実現すると信じています。私たちは小高に軸足を置きながらも、その意思とノウハウを社会に広げてまいります。

新ロゴ

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